gasonの徒然なるままーに

不惑になるのはいつのひか

映画

映画 - 危険なメソッド

哲学に触れる際に避けて通れないのが自分の存在。最終的にユングとフロイトを分かつのも自分の存在。 一人、「破壊的なぶつかりが創造する」という女性こそが二人を破壊したのが痛快といえば痛快。 ただ、写実的な映像は無駄を省いた美しさをつかの間、くれ…

映画 - ヘッドハンター

168cm、が魔法の言葉にはならず。ただ、ハメられて必死にボットン便所にまみれてあがく姿にはクスッときた。 タイトルからしてエリートを醸しながら開始数分でセコめの泥棒とばれてしまうのは良いにせよ、どうも感情移入がしにくい。 何を手に入れようとして…

映画 - サマー・オブ・84

幸せそうな環境で、微笑ましく子どもたちが探偵ゴッコを演じていたら狂気にぶちあたったでござる。 という感じで、子どもの個性はあり、終盤までは犯人が犯人らしくなく描かれるあたりなんとなしに楽しめる。 ただ、エンドにあるような平和なところにこそ狂…

映画 - ダーク・プレイス

社会的映画、というのはそれを楽しむものなのかなと思いつつ、予定調和 な話の進み方が、観ていて揺さぶられませんでした。 移住後の貧困、その解決策としての保険金、悪魔崇拝、子どもがいると自分が認める。 個人の思いというよりも、社会にそしてそれを司…

映画 - ゾディアック

僕はこの映画が好きだ。それは好奇心を超えたところにある、執念というものを年月経過を得ながら描いているところだ。 結論としては、不毛かもしれない。しかし、私が映画として想像力をもっともかきたてられるのは、なにか信念を持って不明にあたる姿であり…

映画 - コンテイジョン

リアリティ、でいうとCDCメンバが羅漢・ワクチンを巡っての誘拐暴動 などなかなか。 エンタメでいうと、特に思いつかない。DAY ○ ○ は無情さを表現しようとしているが、本当に無情で、希望があるとすれば出来レース8割の優先順ワクチン接種しかない。 どうも…

映画 - ☆ホワイトタイガー

戦争で相手にしているのは亡霊。 ヒトラーの台詞もそうだし、何より戦車の神様が「天から」見ているという主人公のおそれは行き着く先に何もないことを示唆しているのだろう。 20年たっても、50年たっても表れるホワイトタイガーは、あるいは姿形をかえて、…

映画 - ☆ホワイトタイガー

戦争で相手にしているのは亡霊。 ヒトラーの台詞もそうだし、何より戦車の神様が「天から」見ているという主人公のおそれは行き着く先に何もないことを示唆しているのだろう。 20年たっても、50年たっても表れるホワイトタイガーは、あるいは姿形をかえて、…

映画 - オキュラス/怨霊鏡

平均点ホラー、より大いに楽しめました。 ほとんど意味をなさないであろう、「現実」の証明をセットして、そのうちの電話で目の前の死んでいる人間から電話がかかってくることそしてその前後で時間軸、あるいは現実/夢が不透明になっていること、絡み合って…

映画 - ハウス・ジャック・ビルト

芸術でもなんでもなく、語るに生きるに必要なだけだっただけで。 シリアルキラーとして、どれほど異彩放つか、という終盤はじめまでの描き方からラストの阿呆のような落ち方がまさにオチである。 真の魑魅魍魎の世界に飛び込むが良い、というようでエンディ…

映画 - ガード・オブ・アウシュヴィッツ

大変に自己欺瞞でこの映画における監視、殺戮側かもしれないが、英語で無い方がよかった。 それくらいに、静かに虐殺が進行してしまい心の動きと体の動きの激しさのマッチしない現実みがある。 感情移入などはもちろん難しく、こんなときに自分はどう考える…

映画 - キューブ

最初は助け合おう。しばらくしたら、どうすれば私が助かるか。その一点の描き方が非常に秀逸。 それは、徐々に希望が薄くなっていくと他責的になり、かといって他人に自分の希望の責任を追わせるなど、とにかく寅さんとは逆の時間軸を描いている。 気づけば…

映画 - 殺意の誓約

娘が生まれた瞬間から遡って、あまりに重い心が娘を逆に追い詰め、苦しめる。娘を苦しめるような人間に対しては何をやっても良いか? というのは、すべて父親の主観でしかなく父親以外の意見、すなわち客観的には拘束していたのは娘の彼のみならず、娘そのも…

映画 - サーミの血

自分が属するもの、の流浪の映画である。 差別的な扱いもそこにはあるが、差別そのものよりも自分がどこに行っても、まるで帰る場所では無いと告げられるように、行く先々で居場所の無さを感じる。 そこで出生から考えてみるに、囚われているのは部族という…

マラヴィータ

フカイイ箇所がとりたててないのではあるが、そんな上っ面の表現を爆破してくれるくらい、ファミリーがファミリーで痛快。 こんな弟がほしいし、こんな姉貴がほしい。そして親父もおかんも。 なんて言ってるとFBIに保護してもらうようになるのかね。 とにか…

潜む森

大学生という不安定から安定に向かう時期、それを超えたメンバが大学ノリで集う。それがよく表現されていると思う。 ストーリー全体はチープではあるが、感情として「分かる」 というくらいには人物描写があって『大学の頃とはなにかが違うんだよ』 という台…

☆コールド・スキン

ああ、なかなか良い映画だ。 現、灯台守はただ獣を殲滅したい。だがその実は、殲滅する行為そのものが永遠に続けば良いと思っていたのではないか。まるで自分の行動が少しでも世界に影響を与えていることを実感したいかのように。 新、灯台守は序盤では何を…

ピエロがお前を嘲笑う

どうも人物描写が浅いと思ったら(CLAYの)多重人格かぁ。 と思ったら、それを使った騙しかぁ、というところで。 CLAY の個々もそうだけど、関係性の描写もちょっと足りないかなぁ。最後、「俺たちは仲間だろ」 ってのに説得力を感じなかった。 MRX の凄さも…

名もなき塀の中の王

ワケありで過ごす空間てのは、ここまで人の感情をむき出しにさせるもんなんでしょうね。 父、子 の関係がその中で描かれるから、そりゃあエグい程に愛情が溢れ出てくる。そのエグさといったら、怒りや憎しみや悲しみで覆われつくされているかのよう。 親父が…

ブリーダー

極めてシンプルな人、事の描き方。背景が合成なんじゃないかと思うくらいに個々人が動く。それは余分が無いということで、一見すると分かりづらいような個性が炙り出されるかのよう。 これって何のスープ?と聞いたら、カツオとシイタケとコンブのスープです…

★グリーンブック

ひと悶着ある度に、トニーはどんな気持ちでいるのだろうか。ドクはどんな想いでいるのだろうか。 最初は開いていたなんてものじゃない距離が、実はゼロ距離だったのだということを、トニーはもちろんドクも気づいていったのだろうと思う。 「南部に行くドク…

映画 - ☆ミュータント・タートルズ

テンポ良く動き回るキュートでポップな10代のカメたち 冒頭の声だけの登場シーンからカメ達の愉快さが伝わってきて、 ミュータントといえばタートルズな私だったので(ファミコン)、ミュータントってもうちょっと恐いものじゃないの?いやいや、ミュータン…

映画 - ☆私はあなたのニグロではない

社会に生きる自分ではなく、自分が生きる社会 いつも人間の敵は人間である。そして、自分が人間らしい生活を手に入れたら、そこの座をなんとしても守り抜きたい。 守り抜くためには、何が敵なのか把握する必要がある。もし、妥当な敵がいないのならば、敵を…

映画 - ☆ ゾンビランド:ダブルタップ

わけの分からん事を言われながら、ハチャメチャなことが起きて、収集が決してつかないゾンビ映画。 いや、ゾンビ映画では無いな。コメディとヒューマンドラマ、そのどちらでもない何か。独自のルールによって面白さを作り出そうとしている。 見たこともない…

映画 - ★15時17分、パリ行き

イーストウッド作品の表現してきた、「誇り」「強さ」「尊厳」などといった明確なテーマでなく、事実をこれ以上なく、魅力的に浮かび上がらせた作品。それはまるで、人生を視力4.0 で見つめ直すような、3人の過去、旅の道中、事件に至るまで、楽しさ、苦しさ…

映画 - バンク・ジョブ

強盗をはたらくシーンまでは、程よい緊張感あるものの、ありきたりといえばありきたり。 このまま特に心躍ることなく、エンドを迎えるのだろうかと思いきや、対立する組織が複数、心情、身体的なアクションが琴線に触れ、ギリギリの音を奏でるような緊張感の…

映画 - ★この世界の片隅に

純朴な色使いがリアルな日常をよく表現している。(原爆投下時でない)空爆の描写も、悲惨な現実というよりは、淡々と現実を壊していく様子が心へズキンとうったえてくる。 平凡な幸せ、というのがこの令和の時代と比べると違う形なのかもしれないが、どこと…

映画 - ビッグフィッシュ

氷山の一角が嘘だと思うなら、氷山のすべてを見ようとしてみよう。嘘と思っていたものが、実はいかに澄んでいて、通して遠くまで見えるか分かるから。 つくり話。自分を過剰に良く見せるためではなく、ただ人を幸せにしたいがためにする、話。 息子としては…

映画 - レオン 完全版

殺し屋、孤独少女、二人とも純粋で、目一杯背伸びをしている。 ミルクしか飲まず、文字を読む学も無い殺し屋は本当は殺し屋になどなりたくなかった。 孤独少女は、唯一の助けだった弟が殺されてしまい、復讐をせざるを得なくなった。 二人がたまたま出会い、…

映画 - らせん

医学的な見地から呪いを紐解こう!という流れは好みではあるのだが、貞子という「抽象的な怖さ」が「個人的な嗜好」のように感じてしまい、いわゆる幻滅してしまう映画。 人類みな貞子、というのが最終的な目的であり、それが人類の次なる進化の過程だという…