gasonの徒然なるままーに

不惑になるのはいつのひか

北条遥 - リライト

タイムパラドクスが好みな方には是非とも。 コレがあーなって、ソーなって、ドーなった。でもコレが変わっちゃったから、ドーなるはずがないんだよ。でもドーなるためにはドーしなきゃいけない。。。とかってとにかく勢いが面白い。ジュゲムジュゲムの境地で…

貴志祐介 - 狐火の家

すべて密室トリックもの、ではあるが、そもそも密室にする意図が本当にあったの?という点が4つの話すべてに共通するところに面白みを感じました。 密室にする=不可能な殺人≒自殺にみせかけるなどの偽装工作、な見せ方が多い、という先入観をもって読んだだ…

貴志祐介 - 青の炎

高校生という青さが、犯罪計画時の不安、実行時の無心に努めようとする虚栄、実行後の絶望を倍増させている様が、とてもリアル。 夏目漱石「こころ」や中島敦「山月記」の引用があり、主人公も読んでいるが、読んでいなかったら別の結末になっただろうか。 1…

★高野和明 - ジェノサイド

人間と獣の間にあるもの、それを見返りなき善意とするならば、それは人間誰しももっていて、見ようによっては母性や父性といったところ(これは利己的なのかな)で獣にも見られるのではないか。「10万人を救うことが出来るのだ」という快感を未知なる頭脳から…

★東野圭吾 - 流星の絆

ドラマは観たことないのだけど、その主題歌であるコブクロの曲を頭に浮かべながら、冒頭の流星を待つ兄弟達のシーンを想像する。すると「シーだけは俺たちが守ってやる」という、血の繋がりの無いからこそ、何にも代えがたい絆を感じられる。一緒に行き、一…

森博嗣 - 今夜はパラシュート博物館へ

クレィドゥザスカイを思い浮かばせる飛行機模型の話があったり、大御坊のラブストーリがあったり、森博嗣が全体にまぶしてあるかのような作品。どの物語が好きかと問われると、全てジャンルが違うので答えようがない。

★伊坂幸太郎 - 終末のフール

自由の対義語は自由?といったことを考えさせられるTV番組を観たタイミングで読み、各々それぞれの終末への過ごし方、「こんな過ごし方もあるのか」という驚きと感嘆で読めた。「ビデオ見よう」「そんなことしてる場合じゃないだろ」「じゃあ何するのよ」...…

又吉直樹 - 火花

芸人は人を笑わせたいという思いを抱きつつも、しかし自分の世界観を確固として持たねばならず、またその世界観を裏切ってはならない。そんな矛盾に満ちた生き様を徹頭徹尾、実践しなければならない、悶えるような存在なのだなぁと。

東野圭吾 - ナミヤ雑貨店の奇蹟

各ストーリーの絶妙微妙な繋がりが素敵。私は「悩みを相談する人はただ聞いて欲しいだけなのだ」という考えを持っていた。けれど、悩みに全力で応える爺さんが人生を変えていく物語をみて、これから悩み相談受けたら自分の考えを精一杯伝えてみようかと思っ…

東野圭吾 - 宿命

流星の絆、という思わせぶり(私は大好き)なタイトルとは違い、ド直球なタイトル。展開を非常に読みやすいながら、恨みがジワジワと紡がれていく姿や、唖然・呆然の人の描写が巧み。個人的には、動機がよりサイコで殺人が静かであるギャップが良し悪しと思…

★秋本治 - 東京深川三代目

中学生くらいに読んだなぁ。気付けば広島から深川付近に住んでる今。深川八幡の本祭を楽しんで、実家に帰省しこの本を手に取ると、住んでる深川をもう一度じっくり散歩でもしようという気持ちに。

伊坂幸太郎 - 残り全部バケーション

ただ好奇心が旺盛だから、溝口さんのとこで岡田は働くはめになった。溝口さんも、好奇心旺盛だからそうなったんだろう。岡田が関わった離散家族や、溝口があしらう(あしらわれる)看護士たちもそう。いずれどこか、カレンダーの土曜日の青でも見ながら、「…

★横山秀夫 - 64(ロクヨン)

2018/01/27再読しても、圧倒的な緊張感はやはり健在で、格好良い警官、堕落した警官をそれぞれ信用出来たり出来なかったりが揺れ動き、最後まで心拍数高めで読了させられます。現場警官たちが籠もっている場所へ突入するあたり、ハラハラ感MAX! 2017/03/26…

★伊藤計劃, 円城塔 - 屍者の帝国

屍者の帝国人間の数が屍者の数におされるような時代に、その現状を疑問視する男が、人間とは誰だ、私は誰だ、と旅に出る物語。これはどこかの小学校の入試で出た「ドラえもんは人間ですか?」という問いを思い出した。人間に死を上書きという驚きのお作法は…

北条遥 - 地獄の門

悪魔的な発想してやったぜひゃっほう!地獄の禊を終えて、誰もが憧れた "強くてニューゲーム"を開始するぜ! の冒頭がとても惹き込まれます。 異なる時間軸、同性同名の存在で謎を簡単には明かさないよという構成もナイス。 しかしネタバレが少し厨二な感じ…

深町秋生 - 果てしなき渇き

神格化された娘、加奈子。可奈子を探すというか可奈子に翻弄されるというか、ドラッグがキまった世界観の中で破滅的な人間関係が描かれる。 序盤は少し「型にはまり過ぎた文章」のように感じたが、そのような規律がないとこの物語の狂気を描ききることは出来…

★北条遥 - リライト

世界が存在するための世界。そんなことを考えて成り立つもんなのか。そう思わせるほど、後半はパラドックスという表現のもとに、ギリギリの台詞が投げかけられる。自分が存在するために保証しないといけない物語があるとしたら、それは自分にとって一番大切…

伊坂幸太郎 - グラスホッパー

殺し屋それぞれがなんとなく不安を抱いている中で、確固とした不安と芯に強い復讐を誓う鈴木、その強弱がなんとも面白い。つまるところ、不安を拭ってやってみるしかないじゃない、という妻の言葉に突き動かされて得たものは、一体なんであろうか。何かを達…

★曽根圭介 - 沈底魚

誰も信じられなくなり、コミュニケーションも最小限にしたくなる、そんな警察官の物語。最も印象深いのが、右往左往させられた挙句、結局「大したことない理由」でたくさんの人が動かされていること。一人の私利私欲で人が動かされる様子、日本で崩壊しつつ…

小林泰三 - 大きな森の小さな密室

森の密室結構好き。Σさんは論理言い過ぎ(笑)。二吉さんの話はしぶくてとても好み。なんか昔の少年ジャンプの構成(好み)を思い出しました。

筒井康隆 - モナドの領域

導入→おっミステリ。中盤→裁判大丈夫か?GODすごぉい。終盤→メメタァ&オマージュフル。宇宙意志という言葉にニヤリとしたり、超然たる会話ないようにワクワクしたり、読者に語りかけてきてメラメラしたり。一番やられたなと思ったのが、まさに僕がそう思っ…

森博嗣 - 銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency

自分はなんでも判断をできるだけしないようにして、周囲に身を任せてきた。という主人公が最後は「あなたの器です」と少なくとも周囲からは幸福にみえる人生を歩む。私も最初は「あー、判断できない人ね。いるいる(自分)」なんて一笑に付すなんて心持ちだ…

岡嶋二人 - 99%の誘拐

テクノロジを駆使する様子はさながら喜劇だけど、奥にひそむ心持ちは悲劇。「許されることではない」という双方の言い合いが、いかに哀しいか。大人ならば、なればこそ流されてしまうときもある。かなしい連鎖の物語

東直己 - ススキノ・ハーフボイルド

助けてくれる大人がとことん「喰えない」雰囲気がある。僕が1年ほどススキノ近辺に住んでたときに、若輩特有の「大人は喰えないものだ」という先入観のもと、色んな遊びをしたように思う。そこに本作に表れる家庭の事情による逃避があったり、そこに首を突っ…

森博嗣 - φは壊れたね

途中、ガチでビデオカメラの絡みをワクワク待っていたが、論理哲学な論考でございました。海月くんが、創作ものは読まない、ノンフィクションの本しか読まない。しかし画集(創作ものなのでは?)だけは読む、というところに、文章の創作は創った事実を受け…

ジェイムズ・パタースン - かくれんぼ

これでもかというくらいに、男運や運命そのものに恵まれない物語かと思いきや、そもそもシンデレラストーリーをがしがし昇る主人公マギー。昇りきって「これは夢じゃないかしら」という状況に、「夢なら良かったのに」と後からグチるのは、そりゃあ無しです…

★伊藤計劃 - ハーモニー

etmlのカラクリが読んでいる際の違和感に答えを出してくれた。徹底的に客観的で登場人物の誰の視点でもないような感覚に陥るのはそういう訳か。意志・感情のないハーモニーを投げかける本作と、歩きながらスマートフォンを見てあたかも意志・感情のみあるハ…

★三津田 信三 - 百蛇堂

こんなシリーズの作り方もあるんだなと目から鱗。正直、導入部分を読んだ限りでは、エッセイかなぁ、怖いなんて無縁かなぁと心配になったが、以降恐怖が加速。現実的、非現実的な恐怖が共に押し寄せる様はとても面白く読めた。私が読んだおそろしいものの中…

宮部みゆき - レベル7

記憶喪失グループと失踪グループの話が並行して進んでいくのだが、徐々に並行のバランスが悪くなっていって、まとまりのないまま解決してしまったという印象。ボリュームがあるため、最後まで緊張感をもって読みたかったなぁ。そしてタイトルは内容に際して…

黒川博行 - 繚乱

これだけ悪どい人間が集まりながら、誰一人として憎む対象がいない、それほどに物語そのものが痛快。暴力と権力とちょいと知恵が入り乱れてかち合う。街の描写は細かく、度々出てくるメシを食うシーンが妙にうらやましい。