gasonの徒然なるままーに

不惑になるのはいつのひか

森博嗣 - 数奇にして模型

本作でも犀川先生の冷静な言葉の数々が蝶のように舞い蜂のように刺す。模型をつくることの意義と殺人の動機の結びつけを試みるも、結びつかず。その不条理とも思える状況を的確な言葉で綴り、読み手は動機の不明を受け入れることが出来る。この不条理感は犀川先生と萌絵の恋愛が一見すれ違うように見えて、不思議な繋がりのある辺りにも表れている。脳を直接刺激されるようなミステリ。極めて論理的だけど絵本とも思える世界観。