gasonの徒然なるままーに

不惑になるのはいつのひか

★伊藤計劃, 円城塔 - 屍者の帝国

屍者の帝国人間の数が屍者の数におされるような時代に、その現状を疑問視する男が、人間とは誰だ、私は誰だ、と旅に出る物語。これはどこかの小学校の入試で出た「ドラえもんは人間ですか?」という問いを思い出した。人間に死を上書きという驚きのお作法は、人間と変わらない動きをし変わらない口を聞く新世代を生みだす。そこまで自律した存在、ただし矛盾を孕まない世界。屍者の帝国、矛盾を孕まないということが、最後存在していたもの、これから存在するはずのものまで含む理想(?)を生みだす、それを読む私はあただただ恐怖する。