gasonの徒然なるままーに

不惑になるのはいつのひか

湊かなえ - 贖罪

本著では事件がつらなることを連鎖と表しているが、私はスパイラルだと思う。悲しみが人に伝わるとき、それはより深く根付き、次は更に。もし途中で負を止めたいと願うならば、それは伝わった後ではなお難しくなる。結局、この著で贖うべき人はだれだったのだろうか。スパイラルにおける起点の人物が、割と霧に包まれたままなのがまた、憎らしい良い演出と思う。