gasonの徒然なるままーに

不惑になるのはいつのひか

多島 斗志之 - 神話獣

首尾一貫して実体のない何かに突き動かされる人と、その実体のない恐怖に怯える人のチェイス。使命感、とも呼べるものに突き動かされる様は、浦沢直樹のMONSTERのルンゲ刑事も彷彿とさせる。ただし、本作品での使命感はルンゲ刑事以上の空虚なる結果を当初から予感させるあたりが、作品のリアルで救えない雰囲気をかもしだしているんだろうな。これほどリアルで、しかし緊迫感をあまり感じない。神話の世界の獣に追われるような、やりきれない逃亡劇。