gasonの徒然なるままーに

不惑になるのはいつのひか

池井戸潤 - ようこそ、わが家へ

ストーカーと会社問題の並行物語。人間の奥底に潜む恐怖が絶妙に表れており、物語に没入した。1つめはネット普及以前、知っている人から受ける恐怖。2つ目はネット普及後、知らないはずなのに知っている世界の常識ややり方を押し付けてくる人からの恐怖。まさに昨今に肉薄する物語で恐怖のクラウドといった感じ。しかし、物語の中盤、主人公母を待つシーンでの駅員さんの優しさ(知らない人の優しさ)が、現在社会の恐怖パンドラ箱に残された希望のようで、この作品に感謝さえしたくなった。